寝楽起楽

最近は頑張って読書感想ブログにしてます。

                ネタバレには配慮しない感想ブログです。

『少女終末旅行』観て読んだ感想

(原作1巻から) いつもの如く凄いネタバレします。 後未読勢にはよくわからんかも。 www.youtube.com 少女終末旅行 1 (BUNCH COMICS) 作者: つくみず 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/11/08 メディア: コミック この商品を含むブログ (18件) を見る ○…

『万引き家族』 是枝裕和監督 2018年

www.youtube.com ネタバレしまくるんで、大丈夫な人だけどうぞ。 後観た直後なんでまわりくどかったりする部分あるかもですけど、それはまあいつものことですね。 ○あらすじ 色んな事情を抱えつつなんとなく寄り合って万引きなどもやりながら暮らしてた血の…

読んでなくても語りたい:『『罪と罰』を読まない』 岸本佐知子・吉田篤弘・三浦しをん・吉田浩美』 文藝春秋 2015年 

浩美 そうか、三人称の小説なんだ。なんとなく一人称なのかと思ってた。 篤弘 たしか、主人公はラスコなんとかーー。 岸本 ラスコーリニコフ。 篤弘 その名前は、いきなり出てくるんですか?「彼は」ではなく、いきなりラスコール? 岸本 ラスコーリ……ニコフ…

プロフェッショナル・俳句の流儀:『他流試合ーー俳句入門真剣勝負!』(講談社+α文庫)

兜太 でね、そのことを別の角度から言うと、今日あるような俳句の一句一句、これはもともと正岡子規が、歌仙形式ーー後から虚子が連句って言ってますけど、連句の発句を独立させたんですね。それを俳句と呼んだんですけど。連句の発句というのは言うまでもな…

人の手帳を読んできた。

すれちがう人になんとはなしに顔を向けながら、「思考が読み取れたりしねえかな」とか思ったこと、ありませんか? 私はあります。相手がものすごい奇抜なファッションだったり、一生交わりそうもないようなタイプだったらなおさら。 これから先全く縁のない…

20代男子がセンスマウンティングしたくて作ったプレイリスト

要は好きな曲詰め合わせです。全21曲。 公式PVが上がってない場合はitune musicから引っ張りました。 また際限なくなるので1アーティストにつき1曲にしてます。 〇「深夜高速」 フラワーカンパニーズ //www.youtube.com 自分が音楽に興味をもったきっかけ…

何時間でもプレイ可:『ゲームSF傑作選 スタートボタンを押してください』 D・H・ウィルソン&J・J・アダムズ編 仲原尚哉・古沢嘉通訳 創元SF文庫 2018年

「なにやってるの」わたしはいった。 「 『ダイヤモンド・ナイツ』のパスワードがないかなと思って」トードは慌てて答えた。 「おまえ、ソリーのキャラのアイテムを全部自分のキャラに移すつもりだっただろう」デッカーが言った。「最低な奴だな。葬式に来て…

これが直木賞作家だ!『この話、続けてもいいですか。』 西 加奈子 ちくま文庫 2011年

私の父の、酔ったときの口癖は「そういう世界」です。そのときのポーズも決まってます。親指を突き立てない「グー」サイン。ハタから見れば握りこぶしに力を入れているだけのような状態で、元気に「そういう世界!」 。どういう世界?私の統計によると、言葉…

言葉の円盤投げ:『熊の敷石』 堀江俊幸 講談社文庫 2001年

木の鎧戸にくりぬかれた菱形の穴から、形どおりの幅でやわらかい光の筋が素焼きタイルの床に落ちていた。部屋の空気じたいはきれいに澄んでいてむしろ涼しいくらいだったが、壊れてのばすことのできなくなったソファーベッドの背もたれに顔が密着するような…

本を焼き、心を焼き:『華氏451度』 レイ・ブラッドベリ 伊藤典男訳 早川書房

火を燃やすのは楽しかった。 ものが火に食われ、黒ずんで、別の何かに変わってゆくのを見るのは格別の快感だった。真鍮の筒先を両のこぶしににぎりしめ、大いなる蛇が有毒のケロシンを世界に吐きかけているのを眺めていると、血流は頭の中で鳴り渡り、両手は…

孤独に浸る人々:『千年の祈り』 イーユン・リー 篠森ゆりこ訳 新潮社 2007年

このご先祖様の物語は、わが町の歴史上もっとも輝ける一頁だ。まるで夜空に華麗にひらめく一発の花火のようだ。だがあとには闇がのしかかる。まもなく最後の王朝が共和政体に倒され、皇帝が紫禁城から追放された。皇帝の誰より忠実な側近である最後の世代の…

青年期だけがない:『春日井健歌集』 春日井健 短歌研究文庫 2005年 

大空の斬首ののちの静もりか没ちし日輪がのこすむらさき (p8) いきなりこれだもんな。 春日井建歌集 (短歌研究文庫 (18)) 作者: 春日井建 出版社/メーカー: 短歌研究社 発売日: 2005/09/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 〇内容 『未青年』…

全文情愛:『恋文の技術』 森見登美彦 ポプラ文庫 2011年

四月九日 拝啓 お手紙ありがとう。研究室の皆さん、お元気のようでなにより。 君は相も変わらず不毛な大学生活を満喫しているとの由、まことに嬉しく思います。 その調子で、何の実りもない学生生活を満喫したまえ。希望を抱くから失望する。大学という不毛…

『いつか春の日のどっかの町へ』『サブカルで食う』 大槻ケンヂ 角川文庫

左手でマイクを握り、右手でギブソンJ-50のネックを握った。歌い続けながら、ギターを肩から外すと、いっそギタースタンドに立てかけた。そして身一つだけになってまた歌い続けたのだ。 この信じられないギター弾き語りシンガーの、歌ってる途中でギターを…

三者三様:『読んじゃいなよ!』 高橋源一郎編 岩波新書 2016年

わたしが大学に入ったのは一九六九年。卒業、ではなく、除籍になったのが一九七七年。その八年の間に、わたしは、数えるほどしか授業に出ませんでした(十回も行ってません)。 なので、ひょんなことから、大学で教えるようになったとき、というか、学生たち…

みうらじゅんフェスティバルに行ってきた話

www.kawasaki-museum.jp ↑これ。 みうらじゅんさんっていまいち何してる人かわかんないんだけど、この企画展見に行っても何やってんだか結局わかんなかった。 内容は、ちっちゃい頃からみうらじゅんが自分で締め切りを作って、恐竜や仏像のスクラップブック…

『鈴を産むひばり』『うづまき管だより』 光森祐樹

・鈴を産むひばりが逃げたとねえさんが云ふでもこれでいいよねと云ふ (『鈴を産むひばり』) ・内海と外海のこゑ聴くときにうづまき管は姉妹と思ふ (『うづまき管だより』 この辺は解釈とかいうより「考えるな、感じろ」の世界なんですかね。 鈴を産むひば…

『ちくま日本文学005 幸田文』を読んで思うこと

小中学生のころに読んだ、 雪が降るのを最初に深々と、と表現したのはどこのどいつだろう。 という、とある小説の出だしを私はずっと覚えている(ずっと恩田陸の『ネバーランド』だと思ってたんだけど、確認したら違った。あさのあつこの『バッテリー』とか…

母国語に潜む嘘:『ことばと国家』 田中克彦著 岩波新書 1981年

私はここに報じられたゲンダーヌさんの行動はもちろんのこと、また、それを支持して、ひろく世に知らせるために記事にした、この文章の書き手にも共感する。(…)それだけに、「ゲンダーヌさんの母国語」にはめまいを感じるほどの当惑をおぼえたのである。 …

ハンター必携:『クマにあったらどうするか:アイヌ民族最後の狩人』 語り手・姉崎等 聞き書き・片山龍峯 ちくま文庫 2014年

CAPCOMが送る大人気ゲームシリーズ、『モンスターハンター』の最新作が発売されて一か月弱が経ちました。皆さん、充実した狩り暮らしを送っていますでしょうか? ゲーム脳が取り沙汰されたのは一昔前のことですが、中にはコントローラーを握りながら、「自分…

エンジョイ勢からガチ勢まで:『マヤ・アステカ不可思議大全』 芝崎みゆき 草思社 2010年 

突然ですが皆さんは、歴史が好きでしょうか? 「受験の時にやったきりで、もう全く覚えていない」 「小ネタは楽しかったけど、人名やら年号やら覚えるのは苦手だった」 おそらくはこうした人が大半で、大人になってから改めて本格的に勉強しようと思っても、…

詩人の感性:『短歌ください』 穂村弘 角川文庫 2014年

穂村弘はまず、純粋な読者として、びっくりさせられたいんだと願っている。と、同時に、どんなに意外な作品でも、そのよさを自分はキャッチすることが出来るという自信と自負があるのだろう。そうでなかったら、毎回毎回「意外な作品」なんていい続けられな…

絶対の三原則:『わたしはロボット』 アイザック・アシモフ 伊藤哲訳 創元SF文庫 1976年

ロボット工学の三原則 一、ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを阻止してはならない。 二、ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一原則に反する命令はその限りではない。 三、ロボットは自…

現場にいる私から/短歌

短歌と四人称についてのこの記事を興味深く読んだ。 たくさんあるわたし、というテーマを見たときいつも思い出すのは、漫画『ムーたち』のファースト自分、セカンド自分、サード自分・・・の概念。 (ムーたち 2巻から スキャン適当でごめんなさい) 同じ時間…

発露する風鈴たち:『ひだりききの機械』 吉岡太朗著 短歌研究社 2014年

両手とも左手なのでひだりがわに立たないとあなたと手をつなげない 利き腕がある機械、ていう発想。しかも両手ともひだり。不器用そう。 ひだりききの機械―歌集 作者: 吉岡太朗 出版社/メーカー: 短歌研究社 発売日: 2014/04 メディア: 単行本 この商品を含…

探し物はなんですか:『青い鳥』 メーテルリンク 堀口大學訳 新潮文庫 1960年(原著1908年)

ふとりかえった幸福 わたしは「幸福」のなかでも一番ふとった「お金持ちである幸福」です。わたしはきょうだいたちを代表して、あなたとあなたの御家族を、わたしたちの終わりのない饗宴にご招待しようと思ってまいりました。あなたはこの世で本当の、「ふと…

150記事突破した記念に未公開の文章を晒す

昨日の縄文ZINEの紹介で本ブログの記事数がめでたく150記事となりました。 中学~高校にかけて3つ4つブログを作っていた記憶がありますが、いずれも数記事更新しただけでやめてしまっていたので、この数は自分にとってはちょっとした記録と言って良い。150も…

震わせろ縄文魂:『縄文ZINE 土』 縄文ZINE編集部 2018年

新しいことばかりが発見じゃない。自分にとって勇気が湧くような古い映画だって、年の離れたお兄ちゃんが教えてくれた80年代のUKロックだって、もちろんもっともっと古い時代、歴史や縄文時代のことも誰かの大切な発見となることだってあるだろう。 レコード…

自己啓発じゃ終わらない:『アルケミスト 夢を旅した少年』 パウロ・コエーリョ著 山川紘也・山川亜希子訳 角川文庫 2004年(原著1988年)

「おまえさんはわしにとって、本当に恵みだった。今まで見えなかったものが、今はわかるようになった。恵みを無視すると、それが災いになるということだ。わしは人生にこれ以上、何も望んでいない。しかし、おまえはわしに、今まで知らなかった富と世界を見…

伝承の創造:『貴婦人ゴディヴァ:語り継がれる伝説』 ダニエル・ドナヒュー著 慶應義塾大学出版会 2011年

どんな人でも貴婦人ゴディバについては耳にしたことがあるだろう。ほとんどの人にとって、彼女の名前を聞いて思い浮かべるイメージは、馬に乗った裸の女性である。数は少ないが、ゴディバの馬乗りの話と聞いて、「ああ、こういう話でしょ」といえる人たちも…