寝楽起楽

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村上春樹『走ることについて語るときに僕のかたること』(2010)

 

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

 

 

アクセス解析を見た所、チョコの記事が一番ヒットしているみたいです。

やっぱり皆気になるんだね……ってことで本題。

 

村上春樹の小説は余り読んでいない。

 

海辺のカフカと、1Q84と、アフターダーク(だったっけ)ぐらい。

 

しかも全部ちゃんと読んでいない。

海辺のカフカに至っては、何を勘違いしたのか読んだのは小学生の時である。

当時の担任からそんな本もう読めるの!?スゴいね、と言われた事を未だに憶えているので、多分大人のそうしたリアクションを期待していたのだろう。

当然読み終わっても良く分からなった(もっとも、今読んでも理解出来る気はしない)。

 

この人の文章は何かスゴい事が書かれている様な気がするし、雰囲気だけで実際は何も書かれていない、という印象。

 

だけれども世界中でヒットしているからには何か理由があるのだろうね。

(意味ありげなために無限の読み込みが出来る、とかからかな。内田先生は父の不在を理由にあげていたけれどもいまいちわからん)

 

この本についての紹介に移る。

 

本書は、村上春樹が『「走る」という行為を媒介にして、自分がこの四半世紀を小説家として、また一人の「どこにでもいる人間」として、どのように生きてきたのか、自分なりに整理』したものである。

より具体的にいえば、書かれている事はもっぱら自身のマラソンの記録。

 

おそらく彼は人生をマラソンの様に捉えている。書くという行為も含め。

それは基本的に、というか常に痛みを伴う体験である。

しかし、『Suffer is optional』、苦しみは自分次第、だそうだ。(まさか英語を文章中に織り交ぜる日が来るとは)

最も幸福なのは終わった後だ。

やれやれ、もうこれで走らなくて済む、とぜえぜえ息を吐きながらため息をつき、近場の酒場でくいっと一杯ビールを飲み、一緒に参加した友人達と和やかに話をする。

 

そしてまたシーズンが訪れると、彼は誰に強制されたわけでもなく再び走るのだ。