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寝楽起楽

最近は頑張って読書感想ブログにしてます。

森見登美彦 『きつねのはなし』 2006年

読書

いつものコミカル、おふざけ、人生を無駄に、全力で謳歌する青春節とは打って変わり、不気味で生々しいワールドが展開されている短編集。

 
こういう、闇を覗き込ませる様な作品も書けるんですね。流石。
夜に読むと雰囲気出るよ〜
 

 

きつねのはなし (新潮文庫)

きつねのはなし (新潮文庫)

 

 

 
⚫︎きつねのはなし
古道具店の主から風呂敷包みを託された、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入らられたのか(あらすじより)
表題作。屋敷の主人の、人の尺度では計れない、得体のしれなさが怖い。
芳蓮堂の女主人、ナツメさんの浮世から離れている感じも良い。
個人的にこれが一番怖かったかな。
 
⚫︎果実の中の籠
飄々とした大学の先輩を軸に展開する話。もしかして、だが、作者が自己投影したのでは。何の根拠も無いけれど。
 
⚫︎魔
「胴体の長い狐のような謎のけもの」の陰が随所随所でちらりと覗く。そして最後に••••••。
やっぱりね、て感じ。危なそうな所に不用意に近づいてはいけない。
 
⚫︎水神
通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという家宝を持った女が現れて。
何かが住んでいる屋敷、それに憑かれる人、というのも、また典型的なパターンの一つかな。
大宴会の話のあたりは中々良い素材。