過去の私はもう存在しておらず、記憶の中にしか居ないのに、なおも過去の私を私だと信じて居られるというのは、考えると不思議だ。
最近こういう時間と自分、ということをよく考える。
例えば、靴を買いにいった時に、何十年後かに同じ様に靴を選んでいる自分をふと想像したり。
電車で前に座っているくたびれたおっさんを見て、同じ様にぼけっとした人間になった自分を幻視したりする。
これは割とリアルである。悲しいことに。
更には、今この様に何かを考えている時に、数分前の自分は、自分が数分後にこんなことを考えるとは思いもよらなかっただろう、とか。
果たして何を持って自分と言えるのだろう?
記憶の中にしか存在しないのなら、それはもう死人と同じではなかろうか?
つまり自分は今この瞬間に死んでいるのではないか?
あるいは、死にながら生きている?
そもそも生きるとか死ぬって何?
大体この辺で思考は途切れる。ここまでが僕の頭の限界である。これもまたつまらないことである。
結局は、不思議だね、の一言で終わってしまうのだ。