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寝楽起楽

最近は頑張って読書感想ブログにしてます。

ダイアナ•ウィン•ジョーンズ『わたしが幽霊だった時』東京創元社 1993年

この人の本は、小学生の頃によく読んでいて、懐かしかったので借りてみた。

 

当時僕はファンタジーが大好きで、図書館の子供用ファンタジーの棚を片っ端から読み漁っていたのだが、題名に見覚えがあるから、この本も一回多分読んでいる。内容全く覚えてなかったけれども。

 

あと、ついでに、『トニーノの歌う魔法』と、『魔法使いハウルと火の悪魔』(ハウルの動く城の原作。個人的には、これが一番面白かった)も借りて読んだ。この二作は、割と内容を覚えていたので、一番新鮮に読めたこれをレビューする。

 

 

わたしが幽霊だった時 (創元推理文庫)

わたしが幽霊だった時 (創元推理文庫)

 

 

 

原因も分からず、なぜか突然幽霊になっちゃった「わたし」。記憶も曖昧で、自分が誰なのかもいまいち確信が持てない。姉や妹を見つけても、あちらにはこっちのことは見えもしないし、気づいてもくれない。なんで幽霊になんてなっちゃったんだろう・・・、というところから始まる物語である。

 

幽霊だから、精神もぼんやりしている、というのはありそうでなかった発想。

それに、「わたし」がわたしだと思ったサリーは、何故か生きて動いている、というそのアイデアも面白し。

 

けれども悪霊云々の話はいまいち納得いかないし、それに、『トニーノ』のやつでも思ったけれども、この人の書く物語は、ところどころに悪意が見えて気持ちが悪いときがある。

 

具体的に言うと、『トニーノ』は人形劇の人形にされてしまった主人公が、同じく人形の中のヒロインを、劇の筋書きに抗えずにがんがんに殴りまくるシーンとか、これだと姉妹が遊びではしゃぎすぎて、首が絞まるシーンとか、両親との何だか変な距離感とか。

 

新世界より』とか、『向日葵の咲かない夏』とかと同種の味の悪さが、個人的には余り好かなかった。ハウルのはその辺が少なくて良かったのだけれども。

 

逆に先の二作が好きな人なら、この人の著作が割りと楽しめるのではなかろうか。

最終的にはハッピーエンドだけどね。向日葵は徹頭徹尾捻じ曲がってて、凄かった。