地方に残り、家業を継いで働いている兄と、地方から飛び出し、東京でカメラマンとして働いている弟。母が亡くなったことを契機に帰ってきた弟だが、そこで事件が起こり・・・という話。
詳細は予告編を参照されたし。
すげー面白かったが、すげー読解力が必要な映画だった。
正直僕は兄の心理がほんとに全く解らず、見終わったあといくら考えても納得出来ずに、「大阪の一般人の男と女が大阪市のワンルームでだぁーっとしゃべったりゲラゲラ笑たりしてたらなんだかんだむっちゃええ感じになるんちゃうか?そんな感じでやってまうん。PODCAST」、略して「大大だゲなじ感(だいだいだげなじかん)」の完全ネタバレ回を聞いてやっと腑に落ちた。上のpodcastも凄く面白いのでおすすめ。
僕にはリアル兄がいるのだが、この映画の兄の心理が解らない=うちの兄の心理もまたぜんぜん解ってないということになる。この映画と同じように、兄はきっといろんなことにきっと耐えている。
そして僕はおそらく無自覚のうちに、兄からいろいろなものを奪っているんだと思う。
家がたまたま自由にさせてくれているがために、その度合いも低いだろうけど、この映画みたいな閉塞的な環境にもし生まれていたら、僕はきっとオダギリジョーと同じように兄にすべてを押しつけ逃げ出してるに違いないし、兄はきっとそれを受け入れ、耐えていくに違いない。
これをみて、兄と弟どっちの視点になるかで、自分の兄弟感が自然と炙り出される。地味な映画だけれども、見て損になることはないと思う。