寝楽起楽

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フランス的エスプリを超えた何か:『ぼくの伯父さん』 ジャック・タチ監督 1958年

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よくわかんないまま見終えてしまい、今もよく分からない。

 

 

○あらすじ

 ネジがゆるんでるおじさんが騒動を巻き起こしさっていく

 

○考察・感想

 音楽いいなあ、で見始めて、あまりにも平坦に進みすぎて途中眠くなって、なんとか我慢してたら相変わらず何も変わってないのに、なんか面白い、のかも?と思い始めて、そのまま観てたら終わった。

 

 検索したらチャップリンみたいな喜劇的面白さを挙げてる人が一杯居たけど、でも彼の様なユーモアを全面に押し出してここを観てくれ!っていう作品ではなかったと自分は思う。

 

 モダン追求しすぎて美術館みたくなってる家のデザインとか、ちょっとした台詞回しとか、そのへんのフランスの品の良さ、を見るべきポイントの中心としてあげてる人もいたけど、それだけで終わらすのもなんかなあ。

 

 と思って調べてたら、いとうせいこうさんがジャック・タチを語ってる記事があって、これがまさしくこの映画の説明になってた。

 

 

www.cinra.net

 

 ジャック・タチは、好きに解釈しろよ、俺も好きに撮るから、で映画を作った。

 

 起承転結がはっきりしてて、ここで雰囲気を盛り上げて、みたいなお約束を一切合切無視して、自分にとって興味のあるところだけを偏執的に追いかけている。だからタチ自身の好奇心に視聴者側のピントが合うまでははっきしいって全く面白くない。合わせられなかったらそれで終わり。

 

 「一生懸命に頑張った人が報われました。めでたしめでたし」とか「ある人が不治の病にかかって死んじゃった」とか、そういう一本調子な物語に感動する人には、タチの世界は全くわからないと思う。でも、「なぜかどんなことにものめり込めない」とか、「夢中になれない」とか、「どうしても物事を斜めから見ちゃう」とか、ちょっとでもそういうコンプレックスがある人は、観ると理解できると思う。そして、「あ、この人よりは自分のほうが人間らしい、だから大丈夫だ」と思えるはず(笑)。

 

 やーなるほどなあ。

 

 しかし上のインタビュー読むと、『プレイタイム』も観ないとという気持ちになってきますね。