読書-詩・短歌・俳句等
暗い人形のガラスの棚は、のように数年間放置され、コンクリートも生きた魚礁・魚醤、腐敗水族館、あえかなくさっていておかしい、やわらかくくる緑色の寒天ゼリーみずうみ、湖・完全水槽、紫色の湖・水槽全集緑色の怪物という。ブロッコリーが浮かぶ、海底…
・白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 哀愁牧水。 若山牧水歌集 (岩波文庫) 作者: 伊藤一彦 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2004/12/16 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 11回 この商品を含むブログ (10件) を見る ○内容 23才~43才…
・ひらかれてひらきっぱなしの欠陥でもう誰といたってねこじゃらし 遠いな~ 花は泡、そこにいたって会いたいよ (新鋭短歌シリーズ37) 作者: 初谷むい 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2018/04/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブロ…
ある日、つぶやいた。短歌の雑誌をつくるほどの力はないけど、年二回のムックならどうだろう。一つには、『笹井宏之賞』の発表媒体が欲しい、ということ。もうひとつは、次々に短歌の世界に加わってくる若い歌人達の受け皿がほしいということ。そんな漠然と…
読んでも役に立たないことにかけては、右に出るものはないかもしれない。が、もともと俳句なんぞは役に立つはずもないものであって、むしろ役に立たないものとしての誇りを胸に、堂々と詠まれ続けていくのが俳句だとも思っている。 (『寸前』、まえがきから…
兜太 でね、そのことを別の角度から言うと、今日あるような俳句の一句一句、これはもともと正岡子規が、歌仙形式ーー後から虚子が連句って言ってますけど、連句の発句を独立させたんですね。それを俳句と呼んだんですけど。連句の発句というのは言うまでもな…
大空の斬首ののちの静もりか没ちし日輪がのこすむらさき (p8) いきなりこれだもんな。 春日井建歌集 (短歌研究文庫 (18)) 作者: 春日井建 出版社/メーカー: 短歌研究社 発売日: 2005/09/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 〇内容 『未青年』…
・鈴を産むひばりが逃げたとねえさんが云ふでもこれでいいよねと云ふ (『鈴を産むひばり』) ・内海と外海のこゑ聴くときにうづまき管は姉妹と思ふ (『うづまき管だより』 この辺は解釈とかいうより「考えるな、感じろ」の世界なんですかね。 鈴を産むひば…
穂村弘はまず、純粋な読者として、びっくりさせられたいんだと願っている。と、同時に、どんなに意外な作品でも、そのよさを自分はキャッチすることが出来るという自信と自負があるのだろう。そうでなかったら、毎回毎回「意外な作品」なんていい続けられな…
両手とも左手なのでひだりがわに立たないとあなたと手をつなげない 利き腕がある機械、ていう発想。しかも両手ともひだり。不器用そう。 ひだりききの機械―歌集 作者: 吉岡太朗 出版社/メーカー: 短歌研究社 発売日: 2014/04 メディア: 単行本 この商品を含…
人類は小さな球の上で 眠り起きそして働き ときどき火星に仲間を欲しがったりする 火星人は小さな球の上で 何をしてるか 僕は知らない (或はネリリし キルルし ハララしているか) しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする それはまったくたしかなこと…
読んでみっか!という気分になり、11月版の「短歌研究と」「歌壇」をパラパラめくってみたところ、なんとなく短歌がどういう性質のものなのか分かった気になれた。 短歌研究 2017年 11 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 短歌研究社 発売日: 2017/10/21 メディア…
目を伏せて空へのびゆくキリンの子 月の光はかあさんのいろ キリンの子 鳥居歌集 作者: 鳥居 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 発売日: 2016/02/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る ○内容 両親離婚→目の前で母が自…
『短歌の友人/穂村弘』『短歌をよむ/俵万智』『現代秀歌/永田和宏』『近代秀歌/永田和宏』読んだ。 てわけで今回は、そん中からこれは良い、と思った短歌を10首選んで紹介する。 どれもこれも短歌の入門書的な立ち位置のものなので、おそらく短歌が好き…
影は、楡の木陰で、こちらを見ていた。 冥い、黄色い目だった。はじめは見ぬふりをしようとした。しかし、無理だった。 釘付けにされ、引き寄せられた。こちらから、近づいていった。声はかけなかった。木陰に入り、そばへ寄ると、影は黙って背を向け、幹を…