感染者数が日に日に増していく今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょーか。こちらは仕事はもう納めまして、のんべんだらりと日々を過ごしております。
今年は後代、
「コロナウイルスの出現により生活が激変した」
とか記録される年かもしれませんよね。そこで、自分もいつか振り返りたくなる年かもなぁと思い。年末だし、暇だし、ブログ更新のネタにもなるしでちょっくら書いてみようかと思ったしだいです。
2020年の自身の変化(コロナ関連に限らず) → 2020年に読んだり聞いたりしたうちでよかったもの、の順番で書いていきます。いつもの記事より何倍か長いです。近況なんか興味ねえよ! て人は後半に飛んでください。では早速。
■■自分の変化
■マイナス編
●太った
これは疑いようがなく。もともと大学卒業して、運動をしなくなってからも食べる量は変わらず(なんなら酒を飲む機会は増えたりして)、年々体重は増加の一途をたどっていました。弊社がリモート併用体制になってから外に出る機会がぐんと減り、上昇曲線がすさまじいことになっています。
いい加減気にしないといけない水準のため、食べる量を控えてみたり、室内で運動をしてみたりと、雀の涙程度の努力はしていますがどうなることやら。3月の健康診断で少なくとも去年と同じ水準には戻したい。。
●仕事へのモチベが下がっている
これは原因は
・2年目に入ったことでだれた(1年目は新鮮な気持ちで働いていたぶん、意識が高かった)
・だれた時期にリモートが始まり、1年次に芽生えていた社会人の自覚がいったんゼロに戻った
の2つがおもに考えられます。これもどうにかしないといけない問題です。仕事に対し、自分が関わったことでプラスになってる! て達成感を感じられればいけそうなんですが、最近
「ほかの人がやった方がもっとうまくいく(った)なぁ……」
という気持ちになることが多い。これもモチベ低下に寄与していそう。この問題への対処、ようするに仕事をマジメにやっていくしかないんだよなぁー。
●スマホなど画面を見ている時間が圧倒的に増えた
理由は後述。
■中立編
●Vtuber沼にはまりかけている
画面を見ている時間が増えた理由その1。Vtuverとは、要するに二次元チックなモデルで動くYoutuberの人たちです。過去のニコニコ動画の実況者やら歌い手やらの出身が多いのですが、一つモデルを被ることで現実の生々しさ?が消え、さらにキャラ化された人同士のつながりに、(漫画的な、現実よりも単純な)関係性を見る楽しみを見出すことができる、など違った楽しみもあります。
文化として新しいぶんいろいろ言われますが、単純に、いろんな才能を持った人で出ていける場所が一つ増えるのはとてもいいことだと思ってみてます。
時間を大幅に取られるという意味でマイナス、新しい世界を知ったという意味ではプラスで差し引きゼロ。
●kindleで漫画を買うようになった
画面を見ている時間が増えた理由その2。お金が減る意味でマイナス、新しい世界を知れる意味でプラス。ワンクリックでシリーズ一気買いとかできちゃうんだもんなぁ……。あと、物理的なスペースを取られないのは大きいですね。
■プラス編
●チェロを始めた
8月~。通勤時間が減ったぶんを活かしたく、前々から音楽はやりたいと思っていたので。まだやっと音程を少し取れるようになったレベルでしかないですが、長めに続けていきたい趣味です。
音楽を始める前は、音楽を始めたら劇的に何かが変わるもんかと思ってました。ですが、上達度合いがさほどでもないためか、良くも悪くもどこまでいっても自分のまんまなんやなあ、と最近よく思います。
●植物の名前を覚え始めた
6月~かな? 下記の本を読んで、中長期的な視点で植物を観察するのって面白い、と思ったのがきっかけ。外に出たときに、なんとなく目についた植物を調べるようになりました(とはいえ、覚えている数は少ないんですが……)
小説やエッセイを読んでいると花をはじめ動植物の描写がよく挟まりますが、調べるのがおっくうで全スルーしてきてたんですよね。このへんが少し実感をもって読めるようになるかもと期待しています。
●読書量が増えた
これも在宅で時間が増えたのも関係してます。あと、読了後に2、3行程度の感想をメモるようになったことも大きく影響してます。
増えた、とはいえ均すと5日に1冊ぐらいなペースだし、軽いものがおもなのでたいしたことはないのですが。来年も同じぐらいかそれ以上ぐらいで読めるといいすね。
大きい変化は以上。続いてはよかったもの編です。
■■2020年よかったもの
■本
今年読書感想としてあげたもの以外から。本来は個別で記事をだすべきところ、一回ここで紹介したことにして、お茶を濁すものです。
●胎児のはなし
人といのちとのあわいにいる「胎児」について、その第一人者に対談形式で語ってもらったよ、という本。
ざっくらばんな話がとても面白いです。「胎児の状態でいるうちは、「ヒト」としてはカウントされてないから保険も適応外」とかえげつない話もいろいろ出てくる。
しかし、女性が妊娠するときって「体内に異物を受け入れた結果、体内に異物を宿す」という、なにがどうやらわけがわからないことが起きてるんですね。。。男で同様の状況ってないもんな。
●星の子
芦田愛菜主演で映画化もされてました。カルト宗教にはまってしまった父母のもとで、多感にさまざま感じながらすくすく育っていく子供の話。
父母が宗教にはまったきっかけも家族への愛ゆえで、「私はお父さんお母さんも、カルトの中の人たちのことも好きだけど、社会的にはこんなにも間違っている」というなかで揺れ動く様子が胸にくる本です。今村夏子はレールから外れた(最初から外れている)人を情感豊かに描くのがほんとうにうまい。。
●ハイパーハードボイルドグルメレポート
リベリアの人食い少年兵、ロシアのカルト宗教、台湾マフィア、ケニアのゴミ山で暮らす青年。彼らはいったい何をたべて生きているのか? を取材し一緒に飯を食う。テレ東の同タイトルの番組のディレクタ-さんが書いたもので、「書籍が完成版」という思いがあるそうです。
ちょうど同時期に『FACTFULLNESS』を読んでました。これは「世界は悪い悪い、言われてるけど、間違いなくいい方向に言ってるよ、希望を持とうよ」という本なんすね。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 発売日: 2019/01/01
- メディア: Kindle版
でも、『ハイパーハードボイルドグルメレポート』は同時に世界に遍在している想像を絶する人々を描き出していて、「よくなってる」からといって「居なくなった」わけではないよねぇ、とまざまざ感じた本でした。
先に「想像を絶する」と書きましたが、この本のもっともすぐれているところは、「食」という人類の共通項を通じて、彼らの世界を一気にこちらに接続させてくる点だと思います。
気になった方は、Youtubeで同タイトルを検索すればテレビ未放映のものが公式から出てたりしますし、12/30のAM1:30(もう間もなくですが)にアメリカのKKKを扱ったものが放映されるようなので、チェックしてみるといいかも。
●急に具合が悪くなる
重い病にかかったことを告白したことから始まった、哲学者と人類学者の往復書簡をまとめた本。平易な言葉でありながら、病について、人生における偶然について、生きることについて、死ぬことについて、往復されるテーマは深く、そして、病の進行に応じて加速度的に話が発展していく。
今この文を書きながらまた読みなおしたくなってきました。深い読み応えのある、魅力のある本です。
●野火
「第二次世界大戦期、劣勢下におけるフィリピンをさまよう戦争文学」、として名高い作品です。
私は頬を打たれた。
から始まる文章表現は見事の一言。
個人的には戦争文学以上に、「あらゆる社会性をはく奪された人間の精神と行動」を描いたものとしてとても興味深く読みました。そもそもが、主人公が肺の病気から軍隊を外され、敵地で社会的に何者でないものになった状態から始まります。いっとき軍隊的な規律に復帰することもありますが、究極的には一人になって狂っていく過程が描かれてるのかなぁと。
あと読んだ人しかわかんない話で、新潮文庫版の裏表紙あらすじでは「なぜ人を食べなかったのか」的に〆てますが、個人的には最終的に人肉を食べるようになったんじゃないかなーと思ってます。じゃないと何日も生き延びられてる説明がつかないし。「野火の元に向かっていた」というのも、そこに現地住民 = 狂った主人公にとっての食糧 がいることが経験則的に分かるから、じゃないのか? とか。
読み応えのある作品で、神奈川近代文学館でやってた「大岡昇平展」にも足を運んで考察したりしたので、いつか独立記事にしたいですね。。
■漫画
KIndleで一気買いしたやつからいくつかピックアップ。
●ブルーピリオド
人当たりよく、悪い遊びもできて勉強の要領もいい。けど、いまいちなんにも本気になれない、自分には何もないというコンプレックスを持っていた主人公がある日美術に目覚め、美大受験を目指して。。。という漫画。
主人公の矢口が良いやつなんですよね~~。あと、作者が美大経験者で、はしばしの描写がリアル、かつそれをうまく漫画に落とし込んでるように見えます。お話に説得力がある感じ。
矢口と鮎川の関係性が好きです。
●灼熱カバディ
「毎回が最終回のつもりで書いてる」
という作者の言葉通り、1回1回に盛り上がりがしっかりあり、タイトル通りまさに「灼熱」な本。あと伏線回収、タイトル回収、過去の〇〇回との対比、などなど気づくと興奮するネタもいろいろ。完結してから一気読み派の人も、連載を追うほうが読者のテンションを共有できて楽しめるかと。アニメ化も決まってます。
●アオアシ
サッカー漫画。修行編が面白い漫画に駄作なしの法則。サッカー、個々人の技量ももちろん勝敗を大きく左右しますが、それ以上に「戦術」がこの漫画では重要視されています。片田舎で作戦のさの字もなくプレーしていた主人公が、徐々に頭を回していくさまが成長譚として読んでいてとても楽しい。
連載再開うれしい!! 競技としての社交ダンス漫画。
スポーツである以上は厳密に採点基準が存在するわけですが、それと同時に「美しさ」も求められるのが難しい世界だと思います。
絶対に男女のペアで組まないといけない、という関係上人間関係に紙幅が多く割かれます。ただ、良好なペアが良好にうまくいく、という単純な展開はなく、反発していたペアが思いがけずその形で花開いたりするさまが描かれており、「コミュニケーションにも美にも正解はないぞ」という作者の思いを勝手に読み取ったりしてます。
予測不可能な展開で続きを追いたくなる作品です。
●青のオーケストラ
連載再開うれしい!! 高校青春オーケストラ漫画。阿久井さんの物語への愛情がこもっている作品で、登場人物達が本当にまばゆい。「漫画なのに音が聞こえる」と評判の描写も一見の価値ありです。
全員で一つの音楽を作り上げるって実際どんな感じなんだろうなあ。
●左利きのエレン
「天才になれなかったすべての人へ」というキャッチコピー通りの漫画。単純にエレンと光一の人生物語として読んでもエンタメとして一流ですが、そのなかにクリエイターが普遍的に抱える創作活動の苦しみ、楽しさが詰まった作品です。
●ヘテロゲニアリンギスティコ
どうやら魔界 vs 人間で一度戦争があった世界で、「魔界の住民たちにはそれぞれ固有の言語が存在する」という学説を学んだ学者が魔界でフィールドワークをする話。
展開は非常に地味ですが、ゆるゆると調査を続ける中でふと新しいことがわかったり、その発見で前わかったと思ったことがわからなくなったり、フィールドワークってこういうもんだよねぇ。。ということがしみじみ伝わるいい漫画です。
●果ての星通信
ある日突然「星を作り、管理する仕事」を担わされてしまった青年のお話。牧歌的で時々少し切ないSF作品としてよくできてます。この人たちに管理されてる世界ならそう悪いもんじゃないなと思える。
マウ―(表紙で青年が抱えてる子)とレゾル(左で腰かけてる子)が無邪気でかわいい。
■ゲーム
1本だけですが。
●グノーシア
インターネットの有識者が早口で語っている作品に駄作なし、の法則を信じてプレイしたら案の定名作でした。
ループする人狼ゲームをひたすら回しながら、ループからの脱出の方法を探るSFものです。周回を重ねるごとに各キャラの思考が高度になっていくのですが、プレイヤー側もキャラたちの性格を把握するようになるので、結果的に「あいつならこう動く」「あいつがこう動いたときはたぶん人狼」などと推測ができるようになることでバランスが取れてます。キャラクター性と人狼のゲーム性がうまく両立された作品です。
ストーリーも納得のいくできでイベントも盛りだくさん。某派生イベントを初見で成功させたのはほんとうに楽しかった。
■音楽
●カネコアヤノ
はまる人はとことんはまるし、はまれない人は無理な曲調、声かなと。一時期ずっと聞いてました。
●MOROHA
ポエトリーリーディング。歌というより言葉そのものでぶんなぐってくるスタイル。ギターもめっちゃかっこいい。聞くときは結構体力がいるかも。
Janis Joplin - Cry Baby (Official Audio) - YouTube
歌への魂の込め方がすさまじい。27歳で亡くならなかったらどんな曲を作ってたんでしょうか。
以上振り返りでした。この記事で200投稿目らしく、そのタイミングで振り返りの記事はすげーたまたまですがなんとはなしに切りがよいですね。
しかし、一記事にぜんぶ詰め込もうとするとそれなりの分量になるなあ。なによりそれぞれの作品に対して不誠実でよろしくない。。
毎回書いてる気がしますが、来年はもうちょいブログ更新頑張ります。
では。よいお年を。