本のリストを読む面白さは、とくに目的を持たずに本屋や図書館の棚を逍遥するときの気分に似ています。好きな作家の隣にまったく未知の作家の本があったり、ある分野の棚に意外な本が混じっていたり(今回の新型コロナウイルス禍によって、しばらく棚に立ち入れなくなったとき、この逍遥が与えてくれていたものの大きさを改めて感じたものです)。
リストを読むことは、目的のキーワードを入力すると結果が得られる「検索」と、似ているけれど根本的に違う行為です。
(「はじめに」より)
「リスト」に着目するという視点が新しいですよね。
●内容
著者陣がいろんな本のリスト(自分にまつわるものだったり、特定のテーマで集めてみたり)をもとにエッセイ書いたよ
●感想
「まったく未知の分野について学問として研究を始める際には、まず読むべき文献のリストを自分で作ってみなさい」と恩師から教えられたのは誰でしたっけ。
一口に本のリストといっても、思い入れ視点、研究視点、ビジネス視点、多様な切り口がありますが、共通するのは
「リストをきっかけに新しい読書の扉が開く」
ことかなと思います。
そういう意味では、取り上げられる本のほとんど知りませんでしたし、「こんな観点でリスト作ることもできるんだ」つう面白さがありました。
「名曲喫茶に積まれていた本のリスト」
「ある古本屋の架空図書のリスト」
「タイトルが同じ書体の本のリスト」
「子供に媚びない絵本のリスト」
「ランボーがアフリカで母親にせがんだ本のリスト」
上をみて「ほほおなかなか面白そうじゃん」と感じた人なら読んでいい本だと思います。
特に、最終章の「探し求められた本たち」の章が好きです。『チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本』、『きけ わだつみの声』は読まんとなあ。
欲をいえば、5人で回すんじゃなく、もっと大人数で(1人につき1リストとかで)書いたバージョンも見てみたいです。だれが、どんなリストについて書くのか、という点にもすごく興味があります。雑誌連載を書籍化、みたいな立て付けじゃないと厳しいと思いますが。
あと、自分でもリストを作ってみたくなる内容でもありました。本屋さんでたまに、書店員さんが独自にセレクトしたフェアやってたりしますが、あれ選ぶの絶対楽しい。
門外漢が本格的にやろうとするなら、ブックマンションなどに申し込むしかなさそうですが、
考えてみりゃあ、ブログがあれば、リスト作るだけなら余裕で可能ですね。
月1ぐらいでなんかしら考えてみようかな。これまで読んできた本の量が少ないので、
ちょっとどれほどのものにできるのかわかりませんが。
ではまた。