寝楽起楽

ネタばれには配慮しない、感想/紹介ブログです。毎週1回更新 +α を目指したかった。

読書ーその他

日本を変えない書物たち:『こんな本があった!江戸珍奇本の世界』 塩村 耕著 家の光協会 2007年 

(占い書『尚占影響』について) 相談人は、生活に困って娘を女郎に売った父親だ。その娘に恋人ができた。ところが、相手は財布の軽い色男。別れよと命じても聞かぬどころか、別の店に住み替えをしたいという。それで得たカネを男に貢ぐというのだろう。そこ…

「未来を思い出すために/ドミニク・チェン(web連載)」を読む

彼女の身体がはじめて自律的に作動したその時、わたしの中からあらゆる言葉が喪われ、いつかおとずれる自分の死が完全に予祝されたように感じた。自分という円が一度閉じて、その轍を小さな新しい輪が回り始める感覚。自分が生まれたときの光景は覚えてはい…

読んでなくても語りたい:『『罪と罰』を読まない』 岸本佐知子・吉田篤弘・三浦しをん・吉田浩美』 文藝春秋 2015年 

浩美 そうか、三人称の小説なんだ。なんとなく一人称なのかと思ってた。 篤弘 たしか、主人公はラスコなんとかーー。 岸本 ラスコーリニコフ。 篤弘 その名前は、いきなり出てくるんですか?「彼は」ではなく、いきなりラスコール? 岸本 ラスコーリ……ニコフ…

ハンター必携:『クマにあったらどうするか:アイヌ民族最後の狩人』 語り手・姉崎等 聞き書き・片山龍峯 ちくま文庫 2014年

CAPCOMが送る大人気ゲームシリーズ、『モンスターハンター』の最新作が発売されて一か月弱が経ちました。皆さん、充実した狩り暮らしを送っていますでしょうか? ゲーム脳が取り沙汰されたのは一昔前のことですが、中にはコントローラーを握りながら、「自分…

エンジョイ勢からガチ勢まで:『マヤ・アステカ不可思議大全』 芝崎みゆき 草思社 2010年 

突然ですが皆さんは、歴史が好きでしょうか? 「受験の時にやったきりで、もう全く覚えていない」 「小ネタは楽しかったけど、人名やら年号やら覚えるのは苦手だった」 おそらくはこうした人が大半で、大人になってから改めて本格的に勉強しようと思っても、…

震わせろ縄文魂:『縄文ZINE 土』 縄文ZINE編集部 2018年

新しいことばかりが発見じゃない。自分にとって勇気が湧くような古い映画だって、年の離れたお兄ちゃんが教えてくれた80年代のUKロックだって、もちろんもっともっと古い時代、歴史や縄文時代のことも誰かの大切な発見となることだってあるだろう。 レコード…

無貌の意思:ジャック・ロンドン「萎えた腕」他感想 雑誌『MONKEY』VOL7より

「我らは知っている。父親から、そのまた父親から一部始終を聞いた。彼らはまるで子羊のようにやってきた。もの静かなしゃべり方をした。連中がもの静かにしゃべったのも当然だ。当時は我らのほうが数が多く、強力で、すべての島を支配していあたのだから。…

記事メモ→「電王戦」5年間で人類は何を目撃した?気鋭の文化人類学者と振り返るAIとの激闘史

ついに名人が電王戦に破れ、これにて戦いも終焉、ということで色々漁っていたところ、こんな記事を発見。 news.denfaminicogamer.jp すっごく面白かった。長いので自分用メモのために要約する。 ・将棋のAIは、あくまで将棋のルールの枠内でしか将棋を捉え…

マイケル•ブース『英国一家、日本を食べる』 寺西のぶこ訳 亜紀書房 2013

イギリスのフードライターが日本に来てグルメリポートしてる本。NHKでアニメ化されたりもしてるので、タイトル知ってる人は多いのでは。 英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) 作者: マイケル・ブース,寺西のぶ子 出版社/メーカ…

高橋源一郎 内田樹『嘘みたいな本当の話』 文藝春秋

嘘みたいな本当の話 みどり (文春文庫) 作者: 内田樹高橋源一郎選 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 市井の人達から、身の回りに起きた、おかしかったり怖かったりする物事をエッセイ(1000字以内)に…