寝楽起楽

ネタばれには配慮しない、感想/紹介ブログです。毎週1回更新 +α を目指したかった。

2021-01-01から1年間の記事一覧

「趣味を仕事に活かす」とは言われても「仕事を趣味に活かす」とはあまり言われないよね

本記事の核はタイトルの通りなんですが、もうちょい細かく説明します。 ■社会人3年目で立ちはだかる「仕事とプライベート」問題 「仕事はそこそこで、プライベートの時間が充実できたらいいや」 「仕事に打ち込むのって確かに大事だろうけどさ、それって人生…

自立した個のなせる技:『他者の靴を履く アナ―キック・エンパシーのすすめ』 ブレイディみかこ 文藝春秋

わたしの息子が英国のブライトン&ホーヴ市にある公立中学校に通い始めた頃のことだ。 英国の中学校には「シティズンシップ教育」というカリキュラムがある。息子の学校では「ライフ・スキルズ」という授業の中にそれが組み込まれていて、議会政治についての…

【ゲーム感想】『うたわれるもの 偽りの仮面/二人の白皇』

しかしこりゃ、追加労働手当を貰わんと割に合わん (本作の台詞より) 昨日の夜にクリアして、寝て起きたら余韻がすげえ。 おかげで今日一日、仕事しながらつねに片隅にうたわれるものがありました。 store.steampowered.com ◾️一行あらすじ ヤマト國を旅し…

亡霊のような生:『JR上野駅公園口』 柳美里 河出文庫

人生は、最初のページをめくったら、次のページがあって、次々めくっていくうちに、やがて最後のページにたどり着く一冊の本のようなものだと思っていたが、人生は、本の中の物語とはまるで違っていた。文字が並び、ページに番号は振ってあっても、筋がない…

3月前半の新刊で面白そうなものをあげてく

直近の新刊を息抜きによくチェックしているのですが、ふと「これ読みたいな~という気持ちだけでブログにしてもいいのでは?」と思ったので、書いてみようという記事です。 ちなみに、新刊チェックはhontoさんの以下のURLが非常に便利(ただ、どこまで網羅性…

編まれた本をさらに編む:『本のリストの本』 創元社 2020年

本のリストを読む面白さは、とくに目的を持たずに本屋や図書館の棚を逍遥するときの気分に似ています。好きな作家の隣にまったく未知の作家の本があったり、ある分野の棚に意外な本が混じっていたり(今回の新型コロナウイルス禍によって、しばらく棚に立ち…

『シン・エヴァンゲリオン』 にわかの感想

1995年に始まったということで、何気にエヴァンゲリオンシリーズとは同い年です。 ど真ん中の世代かと言われるとまったく違うのですが、再放送の際にお茶の間で流れるのを、なんとなく家族で見る、という程度には親しんできた作品ではありました(お茶の間で…

『だれでもない庭 エンデが遺した物語集』 ミヒャエル・エンデ 岩波現代文庫 2015年  

その人はかれ自身を遺失物収容所へ届け、棚の上にすわった。 時折、職員に所有者が連絡してこなかったかとたずねる。 年月がすぎてから、かれは彼自身をうけとった。みつけたのは、かれだったから。 (「うしなわれた人」 本著p63) 所有者が連絡してこなか…