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ネタばれには配慮しない、感想/紹介ブログです。毎週1回更新 +α を目指したかった。

絶対の三原則:『わたしはロボット』 アイザック・アシモフ 伊藤哲訳 創元SF文庫 1976年

          ロボット工学の三原則

一、ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを阻止してはならない。

二、ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一原則に反する命令はその限りではない。

三、ロボットは自らの存在を護らなくてはならない。ただしそれは第一、第二原則に違反しない場合に限る。

          ロボット工学教科書 第五十六版 紀元二〇五八年

(本書p8より)

 

 

わたしはロボット (創元SF文庫)

わたしはロボット (創元SF文庫)

 

 

 この原則よく出来てますね。

 

 ○内容

 ロボット心理学者の権威スーザン・カルヴァンの語る、人間を危機に陥れた様々な

ロボット達~心温まる愛情の話を枕に添えて~

 

 ○感想・考察

 三原則は絶対。のはずなのに、不可解な挙動をし、時にはまるで悪意があるかのようにさえ振舞うロボット達。

 そんな彼らの心理を考察しつつ事件の解決を図っていくという、まさかまさかのミステリ風味の話でした。

すべての話が、「ロボットが人間よりも優れていること」を前提として描かれてており、 だから問題が発生してしまうと、人間達はめちゃめちゃ慌てるしかない。反逆されたら負けるのが分かってるから。

 でもどの出来事(神を崇拝する/嘘をつく/人間かロボットかも分からないetc)

も、結局その背後には三原則がちゃんと機能していて、めでたしめでたし・・・とほっとしながらページをめくると、最後の最後で完全にやられます。

 「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉を思い出しました。まあでも、地獄なのかどうなのかは人によって解釈異なると思いますが。

 アシモフさん多分したり笑いしながら書いたんだろうなー。

 

以上。