今日朝起きた際に「電車乗って会社行くのだる」と思い、突発的に有給を取った後、なんだかんだ軽く仕事をしたり髪を切ったりしながら考えたことを、つらつらと書きます。
書き終わってから読み返すと話の連続性がかなり悪いけれども、備忘録メモと思って許してくれ。
ワーク・ライフ・バランスという、「大事だよね」と世間的にうっすら同意されながらも、実態がようわからん言葉がある。試しに検索して出てきた記事には、次のように定義されていた。
政府広報オンラインの定義によると、ワーク・ライフ・バランスとは働くすべての方々が、『仕事』と育児や介護、趣味や学習、休養、地域活動といった『仕事以外の生活』との調和をとり、その両方を充実させる働き方・生き方」のこと。仕事がうまくいっていると私生活でも心のゆとりを持つことができ、また、私生活が充実することで仕事のパフォーマンスも上がるという好循環を目指します。
上記を見てわかるように、ワーク・ライフ・バランス、とは、「仕事」と「仕事以外」を厳然と分けられることが前提になっているようだ。この分け方に異論を持つ人は多分あまりいないだろう。そもそも、ほぼすべての企業が採用している「就業時間」だって、1日を「ワーク」と「それ以外」に分ける、という発想がないと成立しなそうだ。
これを踏まえても、少なくとも世の中の多数派の考え方、と思って差し支えはないだろう。
そんな中で、「ワーク・ライフ・バランス」は、いわゆる「業務時間超過」「過労死」といった、「ライフ」が「ワーク」に浸食されてしまうことへのカウンターとして取り上げられることも多いように思う。こうした心身を損なう事象に対する対抗策として、キーワードとなる言葉があること、それ自体は物事がわかりやすくなり、とてもいいことだと感じる。
今回は、こうした深刻な文脈の話ではない。「カジュアルに仕事めんどくせ~とか思ったりするやつが、ワーク・ライフ・バランスをどう扱えばいいか」だ。ちなみに、ここでいう「カジュアルに仕事がめんどくさいやつ」は、要するに今日の僕のことを指す。
1年ほどまえに(!)、 「趣味を仕事に活かす」とは言われても「仕事を趣味に活かす」とはあまり言われないよね という記事を書いた。これは、
「仕事 > 趣味 と見なされがちだけど、 趣味 > 仕事 て考えてダメな理屈って別にないよね?」
という話だった。今見ても考え方としてはけっこうおもろいし、今日の突発有給も、「めんどくさいという私的な気持ち」を「仕事」より優先させた、という意味で、この類例にあたるだろう。
ただ、これは、「仕事」と「それ以外」という区分の中でしか考えられていない、という意味で、考え方そのものは、ワーク・ライフ・バランスという考え方の枠組みの中にいる。「趣味を仕事よりも優先する」というのは、要するに「バランス」をどう考えるか、という話でしかないからだ。でも、なんか、もうちょっと深掘りできる気がしませんか?
考えを深めるには、ワーク・ライフ・バランス、という考え方そのものが成立しない(しにくい)生き方、を考えてみるのがいいように思う。
たとえば、「仕事でコーディングをした後、余暇で趣味のプログラムをいじっているITエンジニアさん」はどうだろう。趣味でも仕事でも、実質的にやっていることは同じ、というときに、ワーク・ライフ・バランスは成立するか(※1)。
専業主婦である母はどうだろう。取材をしてみたところ、「家事は苦行だが仕事と思ったことはなく、そういう意味では生活しかない」と言っていた。
昔の人々はどんな風に働いていたのだろう。宮本常一の本を流し読みした感じでは、母の考え方になんとなく近い感じもある。
ワークにライフを浸食されるのでも、ライフでワークを浸食するのでもなく、まずライフがあり、その中の一部に、ライフと不可分にまざりあったものとしてワークがある、という考え方。なんとなく、こういう風に働ければ一番無理がなさそうだなあ、という気がしている。
(※1)この例については、「扱うソフトウェアが違えば全然別物だから」ということで、「仕事」と「それ以外」に分ける考え方でも別に成立する気はする。